人事関連の仕事に就いて十数年ですが、ここ数年のキーワードのひとつといえば「ハラスメント」。
セクハラ、パワハラに始まり、終わハラ、スメハラ、モラハラ、アルハラ…
もう、何でもハラスメントじゃん。という世の中にウンザリしたり、生きづらさを感じている人も多いんじゃないかと。
でも、「じゃあ、もう他人と関わらない!」なんてわけにもいかないわけで。
今回は誰もが加害者にも被害者にもなり得るハラスメントの本質について考えてみました。
※なお、故意に誰かを傷つけようとする、ハラスメント狙いのような人たちは問題外なので考察に含めません。
ハラスメントの共通点
これらハラスメントに共通しているのは、結局のところ「受けとった側の判断が全て」だということ。
ある先輩から指摘された時には「自分のことをそこまで思ってくれて嬉しい!」となり、同じことを別の先輩から言われたら「何でそんなん言われなきゃならないの!パワハラだ!」となったり。
行為や言動の中身よりも、受け取り手の心象に左右されるということですね。
信頼関係づくりの本質
つまり、相手との関係性によって、どんな行動・行為もハラスメントになり得るということ。
だから、よく社内研修である「何をやったらハラスメントになりますよ」というマニュアル的な管理職教育はちょっと本質からズレてるんだよね。
「何を言ったか、ではなく、誰が言ったか」
これが現実。
「正しいこと」「こうあるべき」にこだわる人がいるけど、相手が受け止めるかどうかという観点では、正しいかどうかは関係ない。
でもこれって、みんな自然とやってるよね。
例えば。
自分のことを気遣ってくれているふたりの先輩が「メシ行こうぜ!」と誘ってくれたとして、尊敬しているA先輩だったら行くけど、そうでもないB先輩だったら行かないとか、ね。
経験あるでしょ。
なので、ひとりひとりが周囲の人たちと信頼関係をいかに築くかが大切ってこと。
「無意識加害者」になっちゃうかも?
「いや、俺はあいつと信頼関係ができているから大丈夫。」
いえ。こういう人が危ないんです。
僕も過去に失敗したことがあります。
意図せず無意識に加害者になっちゃうパターン。
自分が勝手に信頼関係◎だと思ってるだけで、相手がどうなのかはわかりませんよ。
注目すべきは、相手との「関係性」。
もし相手との関係が、先輩・後輩やクライアント・発注先のように「上下関係」にある場合は要注意です。
何故なら、自分が上だった場合、
相手は何を言われても「NOと言えない」可能性があるから。
これはわかりやすい上下関係だけじゃなく、恋愛においても「好きのバランス」によっては、知らず知らずのうちにふたりの間に上下関係が生まれていることがあるので気をつけて。
惚れた方が負け、とはよく言いますが、嫌われたくないからNOを言えずに相手が我慢し続けてることもあり得ます。
NOと言わせる大切さ
過去の失敗からの学び。
相手との関係性に留意しつつ、その上で普段から気をつけること。
それは「NOと言える関係性」づくり。
NOと言わせる大切さ。
親しい人程互いに言いたい事を言った方が良い。自分が何でも言ってという姿勢でも、相手が気を遣い我慢する可能性を考慮し接するのが大切。後で何で言わないのと思っても自分が悪い。
何故なら仕事も恋愛も年齢・感情・利害等で気づけば力関係が生まれるから。自戒も込めて。 pic.twitter.com/rT6BqSdiWS
— ショーゴ@繋げるひと|就カフェ☕️ (@sho_trip) 2017年11月27日
自分は対等だと思っていても、相手が本当にどう思っているかはわからないもの。
なので、ちゃんと口に出して相手がNOと言える関係性をつくるようにしています。
ただ、言うだけでは足りなくて。
大切なのは、
本心で伝えてくれた時の対応。
意見があれば言って欲しい。伝えてくれてありがとう。
相手の意志をしっかり受け止めて感謝し、それに自分の意志を返す。
そのキャッチボールを繰り返していくうちに、相手もはっきり意志を伝えて良いんだと理解してくれるようになります。
意図せず無意識加害者にならない為には、自身の意志を発信し、相手の気持ちを聴いて受け止め、現実をしっかり把握することが大切ですね。
いかがでしたでしょうか。
ハラスメントを引き起こす本質的な要因は「信頼関係」にあります。
もちろん、意図的に相手を傷つけているような人は問題外ですが、掛け違い、一方的な勘違いで互いが不幸になるケースは防ぎたいですよね。
信頼を築くためにどうすればいいかについて、過去記事でまとめていますので、よかったらそちらもご覧ください。
どんどん不寛容な世の中になり、生きづらさを感じる今日この頃ですが、だからこそ身近に居てくれる人を大切に、寄り添っていきたいな思います。
参考になれば幸いです。
shogo
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