就職活動も大詰めの時期になると毎年、自身が主催しているキャリアコミュニティ「就カフェ」メンバーの面談に追われます。
面談の主な話題は
「最終的にどの企業の内定を承諾すればいいか」
決め手となる軸は人それぞれです。
でも、毎年何人もの就活生が、人生を大きく左右されることがらがひとつあって。
それは「恋」。
恋と就活の関係性
恋がなぜ就職先を決めるときに関係あるのか。
それは「勤務地軸」に繋がるから。
あるあるパターンはこんな感じ。
内定A社:やりたい仕事で社風や価値観も合っている。でも転勤あり。
内定B社:地元勤務確定。だけど仕事や会社にそんなに魅力に感じていない。
上記のような2社で迷ったときに、
パートナーが地元だから地元に居たい。
パートナーは1年後輩だから遠くに行きたくない。
というように、
「パートナーを理由に」B社を選ぶか悩む人に毎年出会います。
へ?なんでそうなるの??
と思う人もいるでしょう。
でも、当の本人にとっては大きな問題のようです。
今の幸せを手放したくない。
熱く燃え上がっている時期だからこそ、盲目になってしまう。
でもね、最初の就職先は自分が何者になるのか、その「キャリア」(出来ること)を形成する上でとても大きな選択。
社会に出ると世界が変わる!?
長年就活生支援をしているとたくさんのケースを目の当たりにします。
実際、社会人デビュー後に学生時代からの恋人と別れてしまう確率は50%を超えているように感じます。あくまで肌感覚ですけどね。
でもそれにはちゃんと理由があって。
●社会人1年目は仕事や環境に慣れるのに皆必死で、お互い構えなくなる・ストレスをぶつけてしまう
●いつでも休めるわけではない+慣れない生活で疲れるので会う回数が減る
●出会える人の層がお互い一気に変わる
(歳上・自分とは違う価値観の人とたくさん出会う)
学生時代どんなに仲が良かったふたりでも、すれ違いや衝突、どちらかが違う人を好きになるといった理由で別れてしまうケースを多く見てきました。
恋とキャリアを分けるべき理由
実際、就活生からの相談で就職先を悩んでいる理由として「恋ネタ」は毎年多くて。
その場合、僕は面談でひとつの質問をします。
「今付き合っているパートナーとずっと一緒にいようってお互いに話しているの?」
返答の方向は大きく2つですが、
どちらだったとしても僕が最終的に伝える内容は一緒です。
「だから勤務地を決め手にせず、自分らしく働ける企業にした方がいいんじゃない?」
A. はい!一緒にいようって話しています
→だったら、お互いがキャリアをしっかり確立してふたりの市場価値が高くなるようにしたほうが長い目で見たら幸せになれるよね。それにずっと一緒にいようって決めているなら土地が離れたくらいですぐ別れないでしょ。
B.いやー、そこまでは考えてないです
→そうかー、じゃあ今あなたはずっと一緒にいるかもわからない人に合わせて人生の選択をしようとしているけど。本当にそれでいいと思ってる?もし万が一があったら、取り返しがつかないと思うけど。
どちらにしても、恋とキャリアは分けるべき。
と伝えています。
冷静に、客観的に、未来を見据える
就カフェで僕がメンバーに伝えていること。
それは「自分らしく働く、を考える」ということです。
別に大手でも、中小でも、ベンチャーでも、起業しても、フリーでもどれでも良くて。
ただ、その決断は
自分で情報を集め、自分で検討し、自分で判断して、自分で決めるように。
親が言ったから、大学に言われたから、彼氏が、彼女が、じゃなくて。
自分の人生だから。
親も、大学も、交際相手も、誰も責任取ってくれません。
ましてやもう日本において、終身雇用制度は崩壊していて、転職も複業も起業も当たり前という時代。会社のカンバンもまた、あなたを守ってはくれません。
転職するときも、複業を頼まれる基準も、起業がうまくいくかどうかも、すべては自分自身の「市場価値」にかかっています。
だから一刻も早く、会社に養ってもらわなくても生きていけるスキルや人脈をモノにする必要があると僕は思います。
ファーストキャリアの選択は、転職したとしても自分に残るカネ・スキル・人脈のいずれかに繋がることを最優先に。
もしパートナーと一緒になるタイミングが来たら、その時に決めればいいんじゃないかな。
そうは言っていても、盲目な人にはなかなか届かないんですけどね。
そして就職した後に連絡が来て「別れちゃいました…」を毎年繰り返しています。苦笑
人の価値観を他人が変えることは出来ないと思っていて。
自分で自分を変えようと思ったときに、はじめて人は変わるから。
なので、僕に出来ることはリスクも含めてすべての可能性を提示すること。
状況を整理して、本人が考えやすい状況をつくること。
それだけだったりします。
最後に決めるのは自分。
さて、今年もまた、
悩ましい夏の始まりです^^
shogo
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